ミシンへの思い
ミシンと聞くだけで郷愁というのでしょうか、
服作りをしているときの、母の誇らしげな姿が目に浮かびます。
布端をきちんと揃えて押さえ金を下すしぐさ、
針を追う真剣なまなざし、アイロンがけのときの細かな指づかい、
無駄のない動きがつながって、ただの布切れが美しい衣服へと形を変えていきます。
「魔法使いみたいだ」と、私は無条件に母を尊敬していました。
若くして夫に先立たれた母は、工業用ミシンを家に据え、
紳士服や婦人服の縫製をして、私たち姉妹を育ててくれました。
母だけではありません。ミシンを利用する家内職によって
高度成長期、家計を補い、家族に潤いをもたらした大勢の女性がいました。
ある時代の日本女性にとって、ミシンは自らを力づけ、向上させてくれる機械だったのです。
そんな「ミシンとの幸福な関係」を過去だけのものにしたくない、
若い世代にもミシンを使い続けてほしい、それがミシンカフェを開いた一番の理由です。
ミシンとの楽しい時間、クリエイティブな時間を作り出すのは、あなたご自身です。
楽しいソーイングライフを「エディト」からどうぞ、スタートさせてください。